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院長ブログ

抑うつ症状の原因① 過労と睡眠不足

銀座心療内科クリニックは、開設して、約6か月を迎えようとしています。

今後、ブログとして、抑うつ症状やその他、心と身体の不調にたいして、その原因と治療について、掲載していきたいと考えています。

始めに、うつ病、抑うつ状態、を取り上げたいと考えます。

「朝、起きられない」「倦怠が強く、身体が動かない」「頭も回らない」「仕事や学校に行けない…」こうした症状は、抑うつ状態である可能性があります。「仕事に行けない」など、抑うつ症状は、必ず原因があります。その原因として、まず考えなくてはならない要素に、「過労」と「睡眠不足」があります。

日本人の睡眠時間は、世界的にも短い部類に入り、OECD国の平均睡眠時間が8時間25分であるのに対し、日本人は7時間22分で断トツの最下位になっています。その中でも、クリニックに来られる患者さんは、6時間以下という方が多く、抑うつ症状の原因になっていることが良くわかります。

この「睡眠不足」とは、携帯電話で例えると「充電不足による電池切れ」の状態です。この電池が切れた状態に対し、「甘えてはいけない」「何とか乗り切らなければ」と、気力で跳ね返そうとする人も多いのです。この気力で乗り切ろうとすると、いわゆる交感神経優位な状態、「気合ホルモン」「火事場の馬鹿力ホルモン」であるアドレナリンの分泌過剰な状態になります。この状態は、一時的な気力は出てくる一方、不安、恐怖、イライラ、冷や汗、落ち着かない、リラックスできない、等の緊張状態を引き起こし「不眠」が固定化されてしまうのです。

つまり、「疲れていて、ゆっくり休む」必要があるにも関わらず、疲労を跳ね返す気合ホルモンが邪魔して、寝られない⇒疲労がさらに強くなる、という悪循環が生じます。

一旦、この悪循環に入ってしまった場合、自力で解決できないことも多く、不眠⇒疲労困憊⇒抑うつ状態のスパイラルがどんどん進んでいくことも多いのです。

この場合、この気合スイッチをOFFにするために、一旦、お薬の力を借りて、強制的に入眠に入ることで、身体をもとの状態に戻してあげる必要がある人が多いのです。

また、この不眠のサイクルに入っていない方でも、「物理的に6時間の睡眠時間を確保できない」激務の方は、無理をせず、配置転換や、休職のための診断書を記載して、睡眠時間を確保できる環境調整を整え、睡眠不足を補う必要がある人がいます。

このように、過労と、睡眠不足は、抑うつ状態の原因になりうるので、ひどくなる前に対処することが必要です。クリニックでは、この睡眠サイクルを正常化するためのお手伝いができると考えています。ひどくなる前に、ご相談いただければ、と考えています。

次回は、過労でも睡眠不足でもないのに、うつが治らない原因について、考えていきます。

銀座心療内科クリニック|つらいとき、いつでも心を支える街のクリニック

日付:   カテゴリ:コラム