〒104-0061 東京都中央区銀座5-9-13銀座菊正ビル3F03-6263-8851

性依存症の
治療方法

アルコール依存症の治療方法

目次

性依存症の診断(①)

診断チェック

性依存症は、特定の性的な行動について、それが悪い結果につながると分かっていても、自分の意思に反して強迫的に繰り返してしまう状態です。
行動の過程で得られる快感に執着する行為依存とも言えます。
痴漢や盗撮など、性犯罪につながりやすいため、職を失ったり、離婚など家庭崩壊を招くこともあります。

 

特定の性的な行動に関して、数ヶ月以上にわたって、次の10項目の3つ以上が該当する場合、性依存症の可能性があります。

 

 

 

性依存症チェックリスト

(当てはまる項目がいくつか数えてみてください)

  

 

男性では、性的な行動への依存が始まりやすい状況として、仕事のストレス、職場や家庭で満たされない空虚感、寂しさ、自信のなさなどを背景に、一度覚えた快感を求めて、行為が繰り返されるようになります。
行為が成功するにつれスリルと達成感、高揚感が強くなっていきます。


女性の場合は、恋愛依存の延長として、情緒不安定な状況で寂しさを埋めるために性依存になる場合や、特定の人との人間関係に依存する関係依存(共依存)になることもあります。

性依存症の心理療法(②)

性依存症に対する治療は、認知行動療法などの心理的治療、自助グループの活用、薬物療法の3つから成り立ちます。
治療の第一目標は、自分の衝動をコントロールできるようになり、健全な性的活動を維持しながら、不適切な性行動が起こらない生活スタイルを確立することです。
認知行動療法としては、問題となる行動の背後にある思い込みに気づき、より適応的な考え方に置き換えていくことが大切です。自分の行動は大した問題ではないなど歪んだ心理がある場合、それらを自覚して直していく努力が必要になります。

 

性依存症の背景に、ストレスによる不安や抑うつ感、孤独感などが存在することも多く、それらの感情を意識できるようになることで依存行為の解消につながる場合もあります。
再発防止のためには、問題行動をオープンにして、行動を回避する対処方法を身につけ、依存のサイクルから逃れることが重要です。

 

 

また、自助グループに参加することで、依存症の特性や治療法について理解を深めることも、再発の防止に役立ちます。
自分の経験を語ったり、逮捕されて裁判にかけられた、職を失ったなど、他の人の経験を聞くことで、自分の置かれている状況がしっかり認識できるようになり、治療に向き合う姿勢が生まれます。
そして、自分の行いをミーティングで正直に話すことで、今後の問題行動のストッパーとなり、再発が減っていきます。

性依存症の薬物療法(③)

効果 治療薬 成分名 商品名
性欲を抑える 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) セルトラリン ジェイゾロフト
抗精神病薬 リスペリドン リスパダール
衝動を抑える 気分安定薬 バルプロ酸 デパケン
抗精神病薬 リスペリドン リスパダール

 

β薬物療法として、第一選択となるのが選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:SSRI)です。
SSRIは性欲や性衝動を抑える効果が期待できます。

 

性欲は、脳内の神経伝達物質であるドーパミン、セロトニンに加えて、性ホルモンであるテストステロン、エストロゲンなどにより調節されています。
中でも、ドーパミンは性欲を促進し、セロトニンは性欲を抑える方向に働きます。セロトニンは、受容体の一つ5HT2A受容体の活性化を介して性欲を抑えます。
SSRIは、脳内のセロトニン量を高めることで、性欲の抑制に寄与します。

SSRIの中でも効果が高いのはセルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)です。7〜8割の方で性欲を抑える効果が認められると報告されています。25mgと低容量で効果を認める場合も多く、即効性も期待できます。副作用としては一過性の吐き気や下痢などの消化器症状を伴う程度であり、安全に使用することができます。

 

その他のSSRIとして、効果を認める割合は多少下がるものの、ベンラファキシン(商品名:イフェクサー)、パロキセチン(商品名:パキシル)でも同様の効果が認められます。 抗精神病薬であるリスペリドン(商品名:リスパダール)やハロペリドール(商品名:セレネース)も性欲を抑える効果があります。
これらの薬剤は、ドーパミンD2受容体を阻害することで、血中のプロラクチン濃度を上昇させます。プロラクチンは性欲を抑える作用があるため、これらの薬剤を継続的に服用することで、性欲の抑制効果が期待できます。

 

リスペリドンやハロペリドールの長期的な服用により、4〜6割の方で性欲の低下が報告されています。
副作用としては、眠気などの鎮静作用が起こる場合があります。 過度の性行動の原因として、双極性障害の躁状態が関与している場合もあります。
気分が高揚して、イライラする、衝動性が強いなど、双極性障害の躁状態との関連性が疑われる場合は、気分安定薬のバルプロ酸(商品名:デパケン)や、抗精神病薬のリスペリドン(商品名:リスパダール)などが有効です。

 

これらの薬剤は、衝動性を抑えて、気分を落ち着けることで、問題となる性行動を抑える効果が期待されます。
薬の力を借りることで、性衝動に振り回されない心身の状態を作り、そのような状況で問題となる行動がなく毎日を過ごせる生活スタイルを確立することが再発防止につながります。